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さまざまな障害の説明 カテゴリ

1.さまざまな障害の分類と概要


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Ⅰ・はじめに

 ここでは、「言語聴覚士のための基礎知識 小児科学・発達障害学」、「自閉症のすべてがわかる本」、「アスペルガー症候群(高機能自閉症)のすべてがわかる本」「言語聴覚士テキスト」を参考にいたしました。

 ( 詳しくは最終項目に参考文献がございます。 )

 

Ⅱ・障害分類

  DSMⅣ-TRより障害分類を抜粋。

精神遅滞

軽度精神遅滞

中等度精神遅滞

重度精神遅滞

最重度精神遅滞

重症度特定不能

学習障害

読字障害

算数障害

書字表出障害

特定不能学習障害

運動能力障害

発達性協調運動障害

コミュニケーション障害

表出言語障害

受容―表出混合性言語障害

音韻障害

吃音障害

特定不能コミュニケーション障害

広汎性発達障害

自閉性障害

レット障害

小児期崩壊性障害

アスペルガー障害

注意欠陥/多動性障害   

  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Ⅲ・障害概要

1)精神遅滞

    診断基準

個別施行の知能検査70以下のIQ、または明らかに平均以下の知能であるという臨床的判断から診断されます。

また、その年齢に対して期待される有能さ(適応能力)の欠陥、不全が以下の領域で2つ以上存在する場合診断されます。

コミュニケーション

自己管理

家庭生活

社会的/対人的技能

地域社会資源の利用

自律性

発揮される学習能力

仕事

余暇

健康

安全

 

 

 

 

    重症度

精神遅滞はその知的水準により分類されます。

分類

IQ

特徴

軽度精神遅滞

5055から約70

・従来教育可能とされていた区分。

・学齢期以前に、社会的技能や意思伝達技能の発達が見られる。

・知覚運動機能でわずかに欠陥がある程度。

・高年齢になると健常児と区別は難しい(グレーゾーン)

中等度精神遅滞

3540から5055

・学齢期以前に話したり、意思伝達の方法を学習したりは可能。

・学習面、精神発達に限界がみられ、職業訓練などを行うことにより、自立可能。

重度精神遅滞

2025から3540

・学齢期前には、運動発達が悪く、意思伝達する話し言葉はわずか。または、習得はむずかしい。

最重度精神遅滞

2025以下

・幼少期に示される知覚運動機能の能力はわずか。

 

    原因

発達期にみられる知的機能の障害にはいろいろなものがあり、わからないものも多く(全体の3040%)ある。原因の知られている知的障害の内訳としては以下があります。

遺伝的要因

胎生初期の異常

妊娠、周産期異常

乳幼児期の障害

環境、精神障害

 

    代表的疾患

ダウン症候群、エドワーズ症候群、Patau症候群、猫泣き症候群、ターナー症候群、クラインツフェルター症候群など。

 

2)学習障害

    定義

学習障害とは全般的知的発達遅れはないが、「聞く、話す、読む、書く、計算する、推論する」のなかで、特定のものが修得と使用が著しく難しい障害をさします。

身体能力の状態や環境的要因が直接の原因となるものではありません。

 

    分類

分類

特徴

読字障害

・読みの正確さ

・文章理解力

・読字能力を必要とする学業成績や日常の活動を著しく妨害している

・単語認知の困難

・声による読字力(音読)

・多動、衝動性を伴うこともある

書字表出障害

・綴り字力の発達障害

・口頭で綴りをいうのが難しい

・語を正確に書き出すことが難しい

・文章を書くことを必要とする教科の著しい学業成績の低下

算数障害

・算数操作の基本となる概念の理解ができない

・数字の認識ができない

・標準的な算数操作ができない

・数字を正しく並べることができない

・小数は記号を挿入することができない

・算数計算の空間的な組み立てがへた

・掛け算表を十分に学習することができない

 

3)運動能力障害

    定義

 協調的運動がぎこちない、あるいは全身運動(粗大運動)や微細運動(手先の操作)がとても不器用な障害を言う。そのために、学習日常生活に大きな影響を及ぼしている場合であります。

 

    症状

粗大運動

微細運動

縄跳び

ラジオ体操

ドリブル

自転車

楽器演奏

図工での道具使い

ボタンかけ

靴の左右を間違える

箸を使えない

 

 

*学校の教科で言えば、体育や音楽、図工が極端に苦手な子はこの障害の可能性あります。

 学習障害や注意欠陥多動性障害の合併が多く、精神遅滞との合併も多くみられます。

 

4)コミュニケーション障害(特異的言語発達障害)

    定義

身体的障害、環境的不利がないにもかかわらず、言語発達が特異的に遅れてしまう場合のみをさします。

  

    分類

分類

特徴

表出性言語障害

言語の表出面が特異的に遅れてしまう

受容・表出混合性障害

言語の理解と表出がともに遅れる障害

 

    特徴

・身振りや自分なりのサインを使いコミュニケートしようとする。

・就学ごろには音声による日常のコミュニケーションが可能になる場合が多いです。

・言語表出はチレツで単語や23語文の発話が多い

・助詞の脱落

・まとまりのない発話

・語彙が少ない

・語想起が悪い

・音形の誤り

・文脈における意味理解の困難

・自己中心的な会話

・的外れな応答

・発話明瞭度が悪い

 

   音韻障害

音韻障害の症状としては、年齢相応の発音ができないという特徴がある。また、話し方が幼く、オウム返しなどの症状もみられます。

 

   吃音障害

発語時に言葉が連続して発せられたり、瞬間あるいは一時的に無音状態が続くなどの言葉が円滑に話せない疾病。言語障害の一種のような症状を示す病気である。どもり吃音ともいわれます。

身体的に問題がある場合とそうでない場合があります。

 

5)広汎性発達障害

    定義

相互的な社会的関係能力、コミュニケーション能力、などいくつかの領域の発達の重篤で、広汎な障害、または情動的な行動、興味および活動の存在で特徴づけられます。

 

 

特徴

説明

相互的な社会関係の質的障害

・対人関係の発達障害

・人への反応性や関心が乏しい

コミュニケーション機能の障害と創造的活動の障害

・言葉や表情、ジェスチャーなどが乏しい

・ごっこ遊びや、みたて遊びが乏しい

制限された反復的で常同的な行動、興味および活動の存在

・環境の変化に対して抵抗

・手をうちあわせる

・奇妙な手の動きをしめす

・意味なく単語や句を繰り返す

 

   自閉性障害

脳機能の何らかの異常により、コミュニケーション能力や知覚や認知に偏りをもちます。

・人や状況とうまくかかわることができない

・周りに人がいても関心を示さず、人がいないかのようにふるまう

・ことばがない、あっても他人に意思を伝える言葉をつかわない(子守唄、祈りの言葉、オウム返し、独り言、代名詞の逆転)

・物事をいつまでも同じにしておこうという要求が強く、そうでないと非常に不安になる。(こだわり、手順、配置)

・人に対する興味は少ないが、物に対して強い関心を持ち、器用に操作する。(一般的に価値のないものに執着する)

・知的な障害があるとみなされやすいが、潜在的な認知能力は優れています

 

   レット障害

・女児のみに生じる

・重度の精神遅滞を呈する

・自閉傾向はそれほど重くない

・常同運動としては手もみが特徴的

・手を口に入れたり、歯ぎしり、息止め発作や過呼吸が見られることが多いです

 

   小児期崩壊性障害

・幼年痴呆と同じ分類

2歳ごろまで精神発達は正常

4歳ごろまでに有意味語を失う

・対人反応の障害や執着的傾向、常同行動などが出現

6か月間程度の精神発達の退行を特徴とする。

・病像が完成すると自閉症との区別は困難となる。

・社会心理的ストレスの後に退行する例が多いです

 

   アスペルガー障害

 自閉症と同じ特性をもちながら、言語能力に関する遅れが見られない場合につく診断名。言葉をつかえ、知的能力が高いので、高機能自閉症の一軍でもあります。

・想像力が育ちにくい

 想像力や応用力を働かせた、柔軟な対応ができない。予定外のことが起きると急に混乱する。

 (普段と違う道を通ると怖がる、物事が予定通りに進まないと怒る)

・社会性が乏しい

 対人関係を作れない、友達をさけたり初対面の人に親しく話しかける、社会的な距離感をつかめない

 (集団行動をとる場面で混乱する、悪意なく友達に面と向かって悪口をいう)

・会話がすれ違う

 言葉は覚えるが、正しく使えない。人の話を誤解したり、質問と違う答えをすることが多い。

 (質問に答えず好き勝手に話す、場面に合わない丁寧な言葉を使う)

・まわりから「わがままな子」といわれる

・言いたいことを一方的に話してしまう

・人の気持ちを読み取れない

・慣用句や冗談を理解できない

・さわられることを極端に嫌がる

・同じ道順、同じ手順にこだわる

・記憶することは得意だが、想像するのは苦手

・スポーツの動作、ルールを応用できない

・二つのことを同時に行うと混乱する

 

   注意欠陥/多動性障害

注意を集中あるいは持続させることが難しいために、多動・衝動的になる障害です。

【不注意の症状】

・学業、仕事、その他の活動で線密に注意をすることができない。不注意な過ちを犯す

・課題または、遊びの活動で注意を持続させることが困難

・直接話しかけられたときしばしば、聞いてないように見える

・課題や活動を順序だてることが困難

・指示に従うことができず、その場の義務をやり遂げることができない

・精神的な努力を持続する課題に従事することを嫌う、避ける、いやいや行う

・必要なものをなくす

・外からの刺激によって容易に注意をそらされる

・毎日の活動を忘れてしまう

 

【多動性の症状】

・手足をそわそわ動かし、椅子の上でもじもじする

・座っていることを要求される場で席を離れる

・不適切な状況で、よけいに走り回ったり、高いところへ上ったりする

・静かに遊ぶことが難しい

・じっとじていない、エンジンで動かされるように行動する

・しゃべりすぎる

 

【衝動性の症状】

・質問が終わる前にだしぬけに答えてしまう

・順番を待つことが困難

・他人を妨害し、邪魔をする

 

Ⅳ・参考文献

 1)「言語聴覚士のための基礎知識 小児科学・発達障害学」

   編集:宮尾益知 二瓶健次  出版:医学書院  発行:200671

 

 2)「言語聴覚士テキスト」

   監修:廣瀬 肇  出版:医歯薬出版株式会社  発行:2008220

 

 3)「自閉症のすべてがわかる本」

   監修:佐々木 正美  出版:講談社  発行:2009810

 

 4)「アスペルガー症候群(高機能自閉症)のすべてがわかる本」

   監修:佐々木 正美  出版:講談社  発行:2009420