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Tくんの小さな丸

・・・・・造形リトミック研究所ブログ・・・・・

このブログでは、造形リトミック教室での日々のふとした出来事や気づきを記述しています。知的障害や発達障害をもつひとりひとりの生徒さんの学びと成長の姿を共有し、親御さんと共に療育についてゆったり楽しく考えていきたいと思います。
※ここでは親御さんの了承をいただいた記述をお伝えしています※

おはようございます。造形リトミック・津田沼教室講師の大塚です。

造形リトミックの教室では、絵や文字を書く前のとても大切な基礎学習として線描「リズム造形」を行います。「たてせん すーい」「よこせん すーい」「ななめに しゃー」と、歌のリズムに乗って、楽しく遊ぶように何回もくり返していきます。

面描の練習も同じようにリズムの乗って、大きいものからだんだん小さいものへと練習を重ねていきます。でも生徒さんによっては、「小さいものからの練習もありかな」と、ふと思うことがありました。

教室に通って7~8年になるTくんは最近、秘めていた積極性を少しずつ表すようになって、絵や文字、数字をゆっくりゆっくりと書いて、九九やお金の問題に取り組んでいます。その字はとても小さく驚くほどです。

軽く介助するのですが、Tくんの手の動きを私が感じ取れるまでには、少し時間を要しました。今思うと、Tくんにとっては、画用紙4分の1位の大きな丸の練習よりも、12分の1位の小さな丸を描く練習の方が易しい課題だったのかもしれません。

大きく書くほうが易しい課題だと、ややもすると考えてしまいますが、小さく小さく書いて、自分の思いを表していくことができる場合もある、・・・こんなことをあらためて感じています。

http://www.zoukei-rythmique.jp