・・・・・造形リトミック研究所ブログ・・・・・
このブログでは、造形リトミック教室での日々のふとした出来事や気づきを記述しています。知的障害や発達障害をもつひとりひとりの生徒さんの学びと成長の姿を共有し、親御さんと共に療育についてゆったり楽しく考えていきたいと思います。
※ここでは親御さんの了承をいただいた記述をお伝えしています※
おはようございます。造形リトミック・津田沼教室講師の青木です。
Sくんは、小学校3年生です。いつも、講師の目をしっかり見ながらお話を聞きます。Sくんがひらがなの練習を始めたのは、小学校に入学する前のことでした。
まず、自分の名前を講師といっしょに読みました。何度もくり返した後に、名前の文字のカードを先生と一緒に読んだり、文字のなぞりをしました。
身近なものの名前についても同じように学習を進め、少しずつ文字の数を広げていきました。
見たり書いたり触れたりしている文字はだいぶ増えてきたのですが、「読む」こととなかなか結びつきませんでした
そこで他の講師とも相談して、今度は、たくさんの文字から指示された文字と同じ文字を探すということを行いました。すると、Sくんはいくつも同じ文字を見つけることができました。これがきっかけとなって、Sくんは、文の中から自分の知っている文字を拾い読みするようになったのです。
「たくさんの文字から指示された文字と同じ文字を探すということ」、この作業によってSくんは、「文字を読む」ということを体得したのです。
自分の名前から始めて、いろいろな単語を読み、なぞり書きし、たくさんの文字に触れてはいたものの、「文字には読みがあって、こんなふうに読むんだ」ということを体得したのは、この作業を通してでした。でも、この作業を通して、ゆっくりでもたちまち読めるようになったのは、その前段階に「文字にたくさん触れる」という積み重ねがあったからです。
特殊教育のポイントはこの辺りにあるようです。
http://www.zoukei-rythmique.jp