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言葉と形

・・・・造形リトミック研究所ブログ・・・・・

このブログでは、造形リトミック教室での日々のふとした出来事や気づきを記述しています。知的障害や発達障害をもつひとりひとりの生徒さんの学びと成長の姿を共有し、親御さんと共に療育についてゆったり楽しく考えていきたいと思います。
※ここでは親御さんの了承をいただいた記述をお伝えしています※

おはようございます。造形リトミック・国立教室の今村です。

Tくんも絵画展の作品に楽しく取り組んでいます。
背景に秋の植物を描いてみようということになって図鑑を開くと、”どんぐり”を指さして「どんぐり」と元気な声で言いました。Tくんはいつも学習の中で、自分の好きなものの名前を元気な声で言います。

”どんぐり”という言葉は、「どんぐりころころ」と歌われるくらい、何かおもしろくてかわいい響きがあります。”どんぐり”と言うだけで、Tくんの表情はニコニコ、クスクス。言葉の響きだけで、Tくんも講師も楽しい気もちになります。

そこで、どんぐりをたくさん描くことにしました。すると途中でTくんは描く手を止めて、再び図鑑を指さします。そこには、いちょうの葉っぱの下にまんまるくぷっくりとした黄色いぎんなんの実が描かれていました。

「それはね、ぎんなん」と講師が言うと、「ぎんなん!」とくり返すTくんの目は、「(このひびき、)この実にぴったり!」という表情です。Tくんはすっかり”ぎんなん”という名前が気に入って、笑いながら「ぎんなん!」とくり返し言葉の響きを楽しんでいました。

造形リトミックでは「ま~る」と歌いながら○を描き、「すーい」と歌いながら線を描きます。不思議なくらい、言葉と形は表情がぴったりと同じです。

そして、”どんぐり”もどんぐりの形に、”ぎんなん”もぎんなんの形に表情がぴったりの名前です。言葉と形のイメージの共通性、Tくんとの学習の中でそんなことに感じ入ることが出来ました。

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