「ごめんなさい」
自分の読みたい本を棚から出そうとした時、絵の具で使うバケツをひっくり返して、新しいじゅうたんを汚してしまったKくん。
いつもなら「あーあ、やっちゃった」の一言で終わっていたのに、その日は「ごめんなさい」と初めて言えました。
その一言でさわやかな風が吹きぬけ、じゅうたんの汚れも気にならなくなりました。
(M.ささき:越谷教室講師)
「水入れる!」
Tくんが教室に通い始めたのは去年の2月のこと。Tくんが年少の時でした。いろいろな魚や動物や昆虫の名前をたくさん知っていて、知らないものも聞いたらすぐ覚えてしまいます。でもお話しするのは苦手で、単語を繰り返して言いたいことを伝えようとします。
それから1年と数ヶ月が過ぎ、今では二語文、三語文でお話しできるようになりました。
急に暑くなってきた7月のある日のこと、絵の具の水入れを見たTくんは「水入れる。水入れる」と言います。私が「もう入っているから入れません」と言っても、Tくんはどうしても水を入れたい様子。本人が納得できるように水を入れに行っても、やはり「水入れる」を繰り返します。
今度は私の制止することばも聞かず、部屋を出て行ってしまいました。追いかけてみると、Tくんは洗面台で水を飲もうとしています。その時やっとTくんが何をしたいのかわかったのです。
Tくんは自分の気持ちを彼なりに伝えようとしているんだなあ、と思った出来事でした。
http://www.zoukei-rythmique.jp (R.あおき:津田沼教室講師)