・・・・・造形リトミック研究所ブログ・・・・・
このブログでは、造形リトミック教室での日々のふとした出来事や気づきを記述しています。
ひとりひとりの生徒さんの学びと成長の姿を共有し、親御さんと共に療育についてゆったり楽しく考えていきたいと思います。
※ここでは親御さんの了承をいただいた記述をお伝えしています※
おはようございます。
造形リトミック・国立教室講師の丹代です。
ある日のこと、教室の玄関で「いやだ!いやだ!」とDくんの声。行ってみると、Dくんはバッタの入ったペットボトルをしっかり握りしめて、バッタを放すかどうかでもめている。
教室に入り、ゆっくり二人で話し合ってみた。学校の帰り道バッタを捕まえたこと、草をむしってペットボトルに入れたこと、教室近くになって「放すよ!」と言われたこと、放したくないDくんの気持ち。
机の上にペットボトルを置き、二人で観察を始めた。ペットボトルに空気穴がないのでコンパスのとがった方で数唱しながら20ヶ所穴を開けた。
図鑑を開き種類を調べる。オンブバッタではないかということになり、二人で絵を描いてみることにする。曲に合わせて介助でバッタを描いた。上出来、上出来。
小柄で体力のないDくん、いつもは仮眠を取ってから授業となるが、その日は目が冴えて授業も最後まできちんと続いた。
その後お母さまとのお話の中で、普段から昆虫が大好きであること、最近弟さんがバッタを飼い始めたこと等など、Dくんのバッタへの想いを知ることができた。「今日のところは、Dくんの気持ちを大切にしましょう。」
後日、「バッタはどうした?」と聞くと、「死んじゃったよ!」との答え。それでもDくんは満足そうな顔だった。